オンラインとオフラインの世界がつながるOMO
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オンラインとオフラインの世界がつながる「OMO」

こんにちは、気になる!ECです。

2021/4/6にそごう・西武が「西武渋谷店」(東京都渋谷区)に、「オンラインとリアル店舗を融合させた新しい売り場」「チューズベース シブヤ」を開設することを発表しました。

2021年9月に完成予定のこの売り場は、若者に人気のあるD2C(Direct to Consumer)のブランドとタッグを組み、オンライン上で販売していた商品を店頭に並べその場で電子カタログを使用して購入したり、その場で受け取るだけでなく自宅への郵送を可能にする他、ECで事前に購入した商品を店頭で受け取るなどのサービスの提供予定です。

このように、デジタルでの販売とリアル店舗での販売を垣根無く融合させた販売方法を「OMO(Online to Offline)」と呼びます。OMO販売はミレニアル世代やZ世代といった「生まれたときからデジタルの世界に触れてきた世代」を中心に徐々に浸透してきています。

今回はこの「OMO」について詳しく調べてみたいと思います!

西武渋谷店に百貨店初のOMOストア「チューズベース シブヤ」がオープン D2Cブランドを紹介

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OMOと、O2O・オムニチャネル

01O2O・オムニチャネルって何?

OMOより少し前にO2Oやオムニチャネルという販売・マーケティングが流行しました。OMOについて知る前にこの「O2O」「オムニチャネル」とは何かというのを見てみましょう。

O2Oとは?

O2Oは「Online to Offline」の略です。つまり「インターネット(オンライン)から実際の店舗」へと顧客を誘導したり、購入を促す施策のことです。

例えば、店舗のSNSやインターネット広告で情報を発信して来店を促したり、店舗で使用できるお得なクーポンをネット上で配布したり、というものがあげられます。

また、逆の場合「Offline to Online」すなわち「実店舗・現実世界からインターネット」の場合も「O2O」と呼びます。

これは、QRコード付きのパンフレットを実際に配布してネットショップに誘導したり、店舗の顧客にネットショップで利用できるクーポンを発行したりというものがあげられます。

現在では、SNSでの広告発信なども比較的低予算で利用できますし、実店舗に既に顧客を持っている場合にはチラシやクーポンの配布のみでネットショップに誘導することが可能です。

「Online to Offline」の場合はインターネット発信の場合は多くの潜在顧客をターゲットとすることができ、低予算で新規顧客の獲得が見込めるかもしれません。

オムニチャネルとは?

オムニチャネルとは、ネットショップや店舗など、ユーザーが購買行動をする場所「チャネル」がシームレスに連携している販売方法のことを指します。前述のO2Oでは、オンラインで獲得したユーザーを実店舗に誘導するというようなイメージでしたが、オムニチャネルの場合は購買の際に両者が連携しています。
例えば、店舗に洋服を見に行ったがサイズがなかった時、O2Oではユーザーにオンラインであれば在庫がある旨を伝えオンラインでの購買へ誘導します。これがオムニチャネルになると、店頭でECサイトの商品の支払いを済ませ、受け取りは自宅でも店舗でも可能、といったようなことが可能です。

オムニチャネルの実例として、イオンが提供するお買い物アプリの「撮って!インフォ」があります。

こちらは、売り場と連動したアプリで、店内の商品付近のQRコードを読み取ることで、その食材のレシピなどをその場で確認することができ、材料もピックアップしてくれるためすぐに店舗で購入することができるというものです。
このようなアプリは以前紹介した中国のスーパーマーケット「盒馬鮮生」でも利用されています。

オムニチャネルはこのように、インターネットと実店舗をシームレスに利用することで、よりユーザーが便利に買い物をできるようになりました。さらに、スマートフォンの普及などにより、ユーザーが購買の際に商品や店舗についてインターネットで情報を収集するようになり、さまざまな角度から購買場所、方法を検討するようになったのもオムニチャネルが注目される一つの理由となっています。

それでは、この「O2O」「オムニチャネル」とこれからご紹介する「OMO」とは何が違い、どう進化したのでしょうか。

02OMOは何がすごいの?

OMOは「Online Merges with Offline」の略で、オンラインとオフラインを併合するという意味です。これは、オンライン・オフラインの垣根を超えたマーケティングを意味します。
では、OMOは先述のオムニチャネルとは何が違うのでしょうか。
一番の違いは、そもそもの考え方です。O2Oやオムニチャネルは、実店舗やオンラインなどそれぞれの販売方法を分けて考えたうえで、別の販売方法に誘導したりというマーケティング方法ですが、OMOの場合はそもそもオンラインとオフラインを区別せず、ユーザーの購買体験を中心に販売方法を設計します。

例えば、売り場に足を運んだユーザーがその場で商品を購入することもできれば、その場で代金を支払い自宅へ宅配することも、または自宅から注文した商品を買い物ついでに店頭で受け取ることも自由に選択できます。

このようにオンラインとオフラインの垣根を無くすことで、より顧客体験の質を向上することが可能なOMOはスマートフォンなどの使用が当たり前になった現在、急速に注目を集めています。


OMOの成功事例

01サントリー | TOUCH-AND-GO COFFEE

TOUCH-AND-GO COFFEE | ちゃんと選べてすぐ受け取れる、ボトルスタイル・カフェ | サントリー

サントリーが手掛けるコーヒーショップ「TOUCH-AND-GO COFFEE」では、LINEで簡単にコーヒーを注文し、指定の時間に店頭の専用ロッカーで受け取ることができるシステムを提供しています。コーヒーは自分好みにカスタマイズをすることができ、待ち時間や会計の手間がなくスムーズに受け取りが可能なため、忙しい朝にも自分好みのコーヒーを楽しむことができます。
また、自分の名前をプリントしたオリジナルラベルでコーヒーを受け取ることもでき、Instagramを利用する若者にも注目されています。

「ネットで注文」と「店舗で受け取り」をシームレスに融合することでユーザーのニーズに応えた成功事例です。

02Zoff(ゾフ)

Zoff LINE公式アカウント

大手ディスカウント眼鏡ショップのZoffでは、LINE・オンラインストアでID登録することにより、計測した視力のデータをオンラインですぐ呼び出したり、補償内容を確認することができるサービスを提供しています。オンラインに、実店舗で実際に計測したデータを保管し、ユーザーが利用できるようにすることで、今まで難しかったインターネットでの眼鏡の購入が簡単になったり、次回店舗で同じ度数の眼鏡を制作したいという際によりスムーズに購入をできるというようなメリットがあります。

また、店舗で購入した眼鏡の完成通知をLINEで受け取れたり、オンラインで購入した眼鏡は店舗で調整やメンテナンスが可能で合ったりと、今までリアル店舗がメインだった眼鏡の販売方法がどんどんオンラインと融合してきています。

03Amazon Go(アメリカ)

最新の商品購入方法として話題を集めたAmazon GoもOMOの販売手法です。Amazon Goでは、専用のアプリをインストールして来店時にゲートでQRコードをかざすだけで、あとは商品を手に持ったり、カバンに入れてそのまま店を出るだけという驚きの購入方法が採用されています。
店舗に設置されたカメラやセンサーが商品を手に取ったことを感知し、自動で決済をしてくれるのです。
レジがないので待ち時間や手間はほとんど不要で、レジに人件費をかける必要もありません。

このようなシステムはAmazon Goが有名ですが、日本でもすでにこのシステムを導入している店舗もあります。

日本版「Amazon Go」が続々都内にオープン、無人店舗は小売を変えるのか

都内ではこの無人決済のコンビニが続々登場しています。高輪ゲートウェイ駅の「TOUCH TO GO」ではAmazon Goと同様に専用アプリをインストールし、クレジットカード情報を登録してあれば、レジを通過せずにそのまま商品の購入が可能です。
カード情報登録をしていない場合にはセルフレジでの会計も可能です。

他にも2020年7月に新宿住友ビルにオープンした「SECURE AI STORE LAB(セキュアエーアイストアラボ)」では、顔認証による入店により、自動決済が可能なので、手ぶらで入店し買い物をすることが可能です。
コチラの店舗は口コミサイトの@コスメと連携しており、手に取った商品を認識して棚のディスプレイに自動で商品情報を表示するなど、購買意欲を搔き立てる工夫がされています。

当たり前になるOMO

以上のように、OMOは圧倒的に顧客の購買体験を向上させ、私たちの暮らしをより便利に、豊かにするマーケティング方法です。これから先、IT技術の向上や通信デバイスの進化が進めば、OMOの販売方法はより身近に、当たり前に普及していくことでしょう。
もしかすると、近い将来街からレジや会計待ちの列が消えるようなこともあるかもしれませんね。

以上、「オンラインとオフラインの世界がつながる「OMO」」でした。

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