EC市場であたりまえになるキャッシュレス決済~現状から今後の展望まで~
こんにちは、気になる!ECです。
ここ数年で急速に普及している「キャッシュレス決済」。バーコード決済やオンラインバンクでの決済など、多くの種類が展開されています。皆様も、日常の買い物やネットショップ利用の際に使用したことがある方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、ECとキャッシュレス決済の関係や、キャッシュレス決済の普及によってEC市場にもたらされる効果などを詳しくご紹介していきたいと思います。
目次
キャッシュレス決済について
01 – キャッシュレス決済とは?
キャッシュレス決済の「キャッシュ」とは、英語で「現金」という意味です。つまり、キャッシュレス決済は「現金を使わない支払い方法」のことを指しています。
一口にキャッシュレス決済といっても、クレジットカードやデビットカードのように長く利用されているものから、交通系ICカードなどの非接触カード決済、スマートフォンの画面から決済が可能なバーコード決済など、現在では非常に多くの種類の決済方法が利用されています。
02 – キャッシュレス決済の歴史
キャッシュレス決済の歴史は意外と古く、キャッシュレス決済の定番ともいえるクレジットカードは、日本ではなんと1960年代から普及が始まっています。日本ダイナースクラブとJCBが1961年に最初のクレジットカードを発行した後、1964年の東京オリンピックに向けて急速に各小売店で普及が進んでいきました。
その後、2001年に日本初の”非接触型”交通系ICカード「Suica」が誕生した後は、多くの小売店が非接触決済に対応し始め、交通系だけでなく「nanaco」などのプリペイド決済用のカードも普及していきます。
そして、総務省の「令和三年版 情報通信白書」によると、スマートフォンの世帯普及率は8割を超えている今、スマートフォンを利用したバーコード決済や非接触決済が急速に普及してきました。
政府も、2018年に「キャッシュレス・ビジョン」と題し、2025年までにキャッシュレス比率40%を目指すことを目標に掲げています。
新型コロナウイルスの影響で国外からの観光が少ない現状ではありますが、これは今後の日本でのインバウンド需要(アジアからの旅行客による消費)を想定したものです。
というのも、中国ではキャッシュレス比率が77%、韓国ではなんと94.7%に及んでおり、現金のみではもはや生活できないといわれているからです。(※⼀般社団法⼈キャッシュレス推進協議会「キャッシュレス・ロードマップ 2021」より抜粋)
海外からの、このような生活に慣れた旅行者に対応すべく、早い段階でのキャッシュレスの普及が望まれています。
03 – キャッシュレス決済のメリット【消費者】
キャッシュレス決済が普及し、様々な場所で利用できるようになると、消費者は現金を持ち歩く必要がなくなります。小銭の重さに悩まされたり、持ち合わせが足りるかどうか気にしたりという煩雑さから解放されることは、キャッシュレス決済を利用する大きな利点となります。
キャッシュレス決済を利用することで、財布を取り出したり、現金を数える手間がなくなり、会計をスムーズに行うことができます。一人一人の会計時間が短縮されることで、レジの混雑も緩和され、忙しい中で時間を取られることが少なくなります。
新型コロナウイルスが終息していない今、不特定多数が触った現金に触ったり、レジでのやり取りを直接行ったりということに抵抗がある方も多いのではないかと思います。
非接触タイプのキャッシュレス決済であれば、現金に触れることなく会計が可能なので、感染リスク等の不安から解放されます。
ネットショップを利用する際にキャッシュレス決済が使用できないと、自宅で購入したあとにわざわざ銀行で代金を振り込んだり、コンビニエンスストアで決済をおこなったりという手間が発生します。いつでもどこでも指先1つで買い物できるのがネットショップのメリットですが、キャッシュレス決済を利用することでこのメリットを最大限に活用することができます。
04 – キャッシュレス決済のメリット【小売店・社会】
消費者のメリットとして、レジでの会計がスムーズになることが挙げられました。小売店側でも、レジにかかる時間が少なくなることによって効率よく営業することができ、人件費の削減にもつなげることができます。
また、現金を使用する場合にはおつりのための小銭の用意や、両替などの業務が必要ですが、キャッシュレス決済ならこのような店舗側の現金の用意も不要です。
ネットショップの決済方法として、コンビニエンスストアなどでの後払い決済はクレジットカード等を持っていなくても便利に利用できる定番の決済方法です。しかし、後払いの決済手段は、ショップ側にとっては商品代金の未収が発生しやすいデメリットもあります。ネットショップで利用できるキャッシュレス決済が普及することによって、クレジットカードを持てない学生などでも即時決済を利用することができ、代金の未収を防ぐことにつながります。
キャッシュレス決済が普及し、現金の必要量が少なくなることによって、紙幣や硬貨の生産量を抑えることが可能です。そうすることで、生産に必要な費用を削減できるだけではなく、生産時に発生する有害物質を減少させたり、森林伐採などによる環境破壊も抑えることができます。
現金での決済は、いつだれがどこで消費活動をしたのかがわかりづらく、国がお金の流れを完全に把握することは不可能です。しかしキャッシュレス決済であれば、事前に情報を登録し、だれが決済したかがわかるため、経済の流れの透明化や、犯罪の抑制にもつなげることができます。
ECとキャッシュレス決済
消費者と小売店、そして社会全体で、キャッシュレス決済を使用することによって得られるメリットが数多くあることがわかりました。
それぞれのメリットの中で、ネットショップにおけるキャッシュレス利用についても若干触れてきましたが、現状ではECにおいてどの程度キャッシュレス化が進んでいるのでしょうか。
01 – ECにおけるキャッシュレス利用率
2018年のソフトバンクペイメントサービスの調査によると、ECではクレジットカードを利用している方が79.1%と、全体の約8割を占めています。18年の調査ではバーコード決済等のキャッシュレス決済は「その他の16決済手段」にまとめられていますが、キャッシュレス化が推進されている現在ではさらに利用率が増加していることが予想できます。
02 – 現在オンラインで利用されているキャッシュレス支払い
2022年9月のアルファノート株式会社の調査によると、オンライン上での非対面決済で利用したことがある決済手段の内訳は以下のようになっています。
こちらの調査によると、クレジットカード利用者がは変わらず大多数を占めるものの、2018年にはクレジットカードに次いで利用者の多かったコンビニ払いや、後払い決済・キャリア決済を、「QRコード払い」が追い抜いて急速に利用者を増やしていることがわかります。
03 – ECでキャッシュレスが好まれる理由
ネットショップの大きなメリットとして、いつでもどこでも、好きなタイミングで買い物ができるという点が挙げられます。
キャッシュレス決済は、クレジットカード番号を入力したり、サービスにログインすることでオンライン上で支払いを完結することができ、ネットショップのメリットを失うことなくスピーディーに買い物を行うことが可能です。
また、キャッシュレス決済の場合は即時で支払いが完了するため、待ち時間が発送せず、他の決済方法と比較して早く商品が発送されることも多いのが特徴です。
オンライン上でのキャッシュレス決済は、注文と同時に決済の確認ができるので、後から口座への振り込みを確認したり、振込名義が異なり対応が遅れるというような手間やリスクが発生しません。キャッシュレス決済が浸透することで、店舗でのフローがスムーズになり、人件費の削減や労働環境の改善が見込めます。
ネットショップで買い物をする際、特に海外からの購入などで、クレジットカード情報などの個人情報を提供することが不安という方も多いのではないでしょうか?
キャッシュレス決済の中には、クレジットカード情報を引き渡すことなく決済可能なものも多く、ネット上でも安心して決済ができるようになっています。
例えば、オンライン決済サービスのPayPalは、クレジットカードや銀行口座を登録することで、サービスを介してネットショップに送金することが可能です。
このように、海外のショップや個人のオンラインショップで買い物をすることが増えた現在、自分の個人情報を守る手段としてもキャッシュレス決済は選ばれています。
このように、ECサイトでキャッシュレス決済を利用するメリットは、購入者・店舗ともに多岐にわたるので、今後もECサイトでキャッシュレス決済を利用する人はどんどん増えていくことが予想されます。
ECの発展とキャッシュレス決済の関係
ECではすでに多くの方がキャッシュレス決済を利用していることがわかりました。それでは、キャッシュレス決済の普及により今後どのようにECが発展していくのでしょうか。また、今後キャッシュレス決済に求められるのはどのようなことなのか予想していきます。
01 – キャッシュレス決済によるECの発展
現在EC業界では、オンライン上での販売にとどまらず、実店舗と連動したマルチチャネル化が求められています。日本ではOMOやBOPISのような販売方法がまだまだ浸透しておらず、その背景には現金以外での支払い方法がまだまだ普及していないことが原因として挙げられるのではないでしょうか。
例えば、スーパーマーケット等でオンライン上で商品を選び、即日で店舗で待ち時間なく購入・受け取りができるBOPISのようなシステムの場合、オンライン上での即時決済が必要不可欠となります。
新型コロナウイルスの感染予防としても、密にならない、混雑のない買い物スタイルが求められる現在、現金での対面会計を解さない新しい販売方法が求められています。
オンライン上での新しい流れの一つとして、メタバースのように没入感のある体験が求められるようになりました。仮想現実の中で実際の町の中で買い物をするような体験をする際、仮想世界の中でそのまま利用できるキャッシュレス決済や仮想通貨が求められます。キャッシュレス決済を活用することで、仮想空間から抜け出すことなく購買行動を楽しむことができるからです。
このように、新しい技術の中で、どんどんキャッシュレス決済とECは関係を深め、進化していくことが予想されます。
02 – キャッシュレス決済の今後の展開
現金無しで、スマートフォンだけでも決済ができるキャッシュレス決済ですが、より便利に、スムーズに利用できるようさらなる進化を遂げつつあります。
デバイスや財布を取りださずに決済ができる指輪型の決済用端末や、顔認証で購入ができる自動販売機、さらには決済だけでなく様々な機能を持つマイクロチップの埋め込みなどが導入されつつあります。
こうしてキャッシュレス決済が浸透し、便利になっていくことでECは今まで以上に気軽に利用できる存在になることが予想されます。
以上、「EC市場であたりまえになるキャッシュレス決済 現状から今後の展望まで」でした。最後までお読みいただきありがとうございます。
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